PRODUCE 101 JAPAN THE GIRLS が昨日終わった。昔からオーディション番組が大好きだったんだけど、最近のK-POP絡みのはついていけてなくてあんまり追いかけてなかった。それが去年のiCON Z のガールズグループ部門のオーディションを追いかけているうちにやっぱり面白いなと思って、そこから1年、いくつかオーディションを追いかけていた。そしてX(旧Twitter)で流れてきたこのオーディションにたどり着いたというわけ。
これが、しかし、想像以上の面白さ。
最初に101人の練習生がいて、審査のたびにそれが減っていく。今じゃオーディションと言わずにサバイバルって言うらしいですね。そんなドライすぎる、いらないものはバッサリ切って捨てる感覚なところも今どきの番組なのかなと思いますが、とりあえず面白いのでこの10月からずっと追いかけました。
101人が50人に減り、それが35人に減り、さらに最終候補者が20人になる。
デビューできるのは11人。つまり9人は落ちます。最初の101人から考えたら90人は無理なんですよね。それでも一縷の望みをかけて練習生たちは挑みました。
選抜方法は視聴者=国民プロデューサー、略して「国プ」の投票によるものです。練習生たちが楽曲を披露すると投票が一定期間可能になり、そこでの票数と、楽曲披露で獲得したベネフィット(優秀な人やチームに与えられる特典)が全ての基準です。
元アイドル、元韓国でデビューしていた人、あらゆるオーディションを受けまくってきた人、帰国子女、舞台経験者、そして全くの未経験者。101人のバックグラウンドは実に様々でした。それでも番組を見ているうちに「この人応援したい」みたいな人が出てきます。要するに「推し」です。容姿、ポテンシャル、実力、華やかさ、何に惹かれるのかは様々ですが、番組を通じて練習生たちが繰り広げてきたストーリーも、推しを決める重要な要素でした。その中で私が特に推していたのはこの2人。
まずは坂口梨乃さん。
この人はiCON Z ガールズグループ部門にもいたからよく知っていて、歌もダンスもできる実力者なことと、メンバーを思いやれる大人な行動がすごくいいと思って推しました。
2人目は田中優希さん。
最初はあまり目立ってなかったけど、デビューにかける意気込みと高いダンススキル、長身で映えるフィギュア、そして彼女もまたしっかりとした意見を持っているところがよかった。
この2人をメインに推してたんですけど、他にも高見文寧さんのパフォーマンスもすごく好きだったなあ。とにかく声がいい。
誰々のここがいい、みたいな練習生がいっぱいいてとても1人になんて絞れないよー。みたいなことを考えながら番組を見てました。ずっと投票もしてたんだけど最終的に1人にしか投票できないシステムになってしまっていて(1pickって言います)、なんて残酷なんだよと思いましたがしょうがない。できる範囲で投票し続けました。そして12月16日にデビューの11人を決める最終投票がありました。結果はこちら。
梨乃さん、次点。すごく残念……。優希さんも16位でこちらも惜しくも逃してしまいました。
文寧さんは3位でデビュー確定しました。おめでとう。
これがサバイバル番組の血も涙もないところだけど、それでもみんなの努力した姿から、確実に伝わってきたものもありました。梨乃さんも優希さんも実力あるからここでは絶対に終わらないと思うし、どこかで目にしたらまた応援したいですね。
そしてこのオーディション内で使われた楽曲で、面白いことに気がつきました。今の子たちがダンス教材として使っている音楽だとやっぱりK-POPがメインなんで当然そういうのが好きとか、反応するんだけど、課題曲の中にこれがありました。
1996年発売の『Body & Soul』を知ってる子が練習生の中にほぼいなかったんですね。まあ、2003年発売のモーニング娘。の『恋愛レボリューション21』だって知らない子がほとんどだったわけで。でもそれが課題曲で出てきたから誰かがパフォーマンスしないといけない。その巡り合わせでやることになった子たちが、原曲が発表された時代の空気も全く知らない中、懸命に作り上げたのがこちらのパフォーマンスでした。
1つの曲につき2グループがパフォーマンスするんですけどどちらのも私は好き。彼女たちにとって昔の曲、全く知らない曲であっても完成させていかなければいけない過程があって、そこにはグループをまとめる苦労とか、曲のコンセプトをどう伝えるかの解釈とかもあって、裏側まで見てからステージを見るとよくここまでまとめていけてると思います。
2023年の今、どうして昔の曲を課題曲として与えるのか。それは曲の中にあるスピリットとかマインドのようなものを語り継ぐ、次の世代に伝えたいっていう運営側の意図もあるんじゃないかなと思っています。その証拠に宇多田ヒカルさんの『Automatic』『First Love』のような1990年代の曲も結構課題曲に入っていました。星の数ほどあるJ-POPの中から残る曲、選ばれる曲の条件みたいなものを見た気がします。
若い練習生が、新旧混ぜた曲と出会って生まれる化学反応こそが、今回のオーディションの一番面白いところだったようにも思いました。私もK-POPの面白みに気がつくことができて、若い子がどうして夢中になるのかがなんとなくわかった気がして楽しかった。またいつか彼女たちにメディアで会うことがあったら、大いに注目することでしょう。