天海祐希さんは宝塚の元トップスターから日本を代表する女優へと転身した人である。
それだけでとんでもなくすごい人なのだけど、今の天海さんは宝塚時代のお話はあまりなさってはいない。聞くところによると、宝塚のお話を敢えてなさっていらっしゃらないとのこと。
元タカラジェンヌの芸能人が多々存在する中、過去を振り返ることをよしとしないスタイルは潔く、だからこそシリアスな役からコメディエンヌに至るまで、どんな役もピタリとハマるのだろう。
2011年のゲキ×シネ『薔薇とサムライ』では天海さん演じる女海賊のアンヌ・ザ・トルネードに魅了されたが、そこから11年の歳月を経て作られた『薔薇とサムライ2 海賊女王の帰還』でも更なる進化を目にした。
ご覧になった方はわかると思うが、今回のポイントは今まで天海さんが語らなかった「宝塚」なのである。
どこから見ても完璧なフォルム、しおらしい女性でも果敢な女性でも、どれを演じても凛々しさと美しさしかない天海さんが、ここでついに、ついに、禁を破り、伝家の宝刀を抜いたのである。あそこであの登場であの表情である。
そりゃもうマリアじゃないけど「ひと思いに殺してーーーー」って言いますよね? 言うでしょ? わたしも言いますってば。
絢爛豪華なスペクタクルなことはいつもの新感線節なのだけど、この「ひと思いに殺してーーーー」を体験するためだけでも『薔薇とサムライ2 海賊女王の帰還』を後追いでいいのでぜひにぜひに、ご覧いただきたいのです。しかも十分に3作目を期待させる脚本じゃないですかーーー。またしても、前作以上に天海さんの凄みをたっぷりと味わいました。
石田ニコルさん、神尾楓珠さん、大抜擢でした。
それにしても、どうしたらいいの。一晩たってもまだニヤつきが収まらないではないか。
2023年8月4日(金)3週間限定の全国上映決定!
8月18日(金)〜 1〜2週間程度DOLBY上映!
公式サイトはこちら → http://www.geki-cine.jp/barasamu2/